The 三国志戦略カード ~開発経緯~

「The 三国志戦略カード」(以下三国志カード)の開発にあたり
~今後のフリーカードゲームの発展のために~
Q&A方式インタビュー (読みたい人だけ)



Q:このページは何の目的で?
 三国志カードの裏話と、カードゲームデザインに対しての作者の考えを語り、
 このゲームを好きになってくれた人への恩返しと、
 今後カードゲームを開発しようと思っている人へ多少でも参考になればと作りました。
 (実際にゲームをやっていただいた後でご覧になることをオススメします)

Q:最も重視した開発ポイントは?
 漠然としたイメージですが、あえて言葉にすると、
 「簡易性」「戦略性」「爽快性」「やり込み性」です o(*^▽^*)o~♪

Q:「簡易性」とは?
 操作とルールが非常に簡単であること。
 フリーカードゲームのなかでは堕王MIG様のDLSなどが好きでしたが、
 (余談ですがMIG様に直接DLSで遊んでもらったこともあります♪)
 知り合いのカードゲーム好きにすすめても、ルールが分からん・操作が不明、などと・・・(`o'") 怒
 他のゲームも大体同様に、ルールや操作が複雑で、プレイの敷居が高い。
 圧倒的に簡単操作&簡単ルールで高い戦略性を持つものができないか?が最初の課題でした。
 (たとえルールを読まなくても10分やってれば分かるほどの簡易性を目指しました)

Q:それで四択式?
 はい、四択式によって、まず操作が非常に簡単なものになりました。
 さらに、他のゲームの多くは、ルールが複雑&対人戦の方を想定、しているために、
 COMが許せる弱さを超えて弱い!
 当然対人戦がカードゲームの最も面白いところではありますが、あえてそこはあまり重視せず。
 (某2ch発カードゲームなどは対人戦を重視ですが、そういう既存の素晴らしいゲームと
  シェアがかぶらないように・・・そもそもネットワーク系プログラムは負担が大きいので)
 四択式によって、COMがかなり作りやすくなった利点が大きいです。
 この四択式システムが最初に決まりましたね( ̄ー ̄)

Q:COMの仕組みは?(裏話)
 var1.70では二種類のCOMが準備されています。
 端的に言うと、場の状況を評価する関数を作成します。
 これは、未来値(現在前半戦か後半戦か、のような値、先陣本陣の話ではない)を与えてから
 作成しているので、状況に応じて、同じ補給+10でも評価が違います。
 (例:残りターン数が仮に9とすれば補給10の効果は90、残り1ターンなら効果は10、これに似た計算)
 次に、手札の使用を、弱いCOMなら4×3通り、で読んでいます。
 強いCOMでは・・ちょっとズルして読んでいますが、4×4×4×4通り、で読んでいます。
 (2.0版において、4×4×4にして一手減らしました。。。かわりに評価関数も調整)
 COMの内部で仮のゲームを進めて、その結果を評価し、MAX-MINで読みます。

Q:(;´Д`A ``` ところで「戦略性」とは?
 カードゲームは、高い戦略性こそが最大の面白さでしょう。
 自分なりの作戦を立てて、その作戦の良し悪しで勝負が決まるように、
 運ゲーではなく、作戦=8、運=2のように、主に作戦で勝敗が決まるゲームデザインです。
 「簡易性」の最大のデメリットは、簡易では戦略性が低下することです。
 この二つを両立させるために、次に考えたことは、必要なステータスを絞ることです!
 (ステータスが多すぎると簡易性に反するので、最も戦略価値の高いステータスは・・・?)

Q:ステータスを絞るとは?
 多くのカードゲームでは、クリーチャーを「召還」して戦います。
 まず、簡易性のためにこのクリーチャー召還の概念は消すことにしました。
 クリーチャー事故、みたいなものも防げます。
 しかし、クリーチャーがいないと、「場」の優劣がHPだけになってしまう。
 一体だけ、クリーチャーを常時出しておく、という構想から、
 「攻撃力」「防御力」のみあればこの役割を果たすと考えました。
 (重量クリーチャー=攻撃力を強化して殴る、軽量速攻=攻撃力そのままで手数を増やす)

Q:じゃあ物資と補給と気は?
 陣=HP、は初期決定事項として、物資&補給&気についても、
 戦略性を高める必須事項だと考えました。
 強力なカードはコストが高い、という設定は戦略性の上で必須。
 物資と補給によって、速攻・遅攻タイプの分類も必須です。
 気の色わけによって、デッキ作成が考えさせるものになることも重要。
 この要素までが、カードゲームとしての戦略性の、必要にして十分な要素だと思います。

Q:補給のボーナス10は?
 このゲームを単純に考えて、相手の動きと無関係に何ターンで敵陣を0にできるかを競う、
 マラソンみたいな自分との戦いのようになっては、戦略性が低下します。
 特に、システム上、タメ⇒大攻撃のパターンが最も効率が高くなるので、
 速攻で場を圧倒する、ようなデッキデザインも可能にしたほうが面白いです。
 守備力・ターン制限効果、に加えて、この要素を追加することにより、
 相手との兼ね合いをより考えさせるようにしました。

Q:「爽快性」とは?
 なんか確率の神に裏切られた気がする・・・不愉快。
 自分の思うような動きになかなかならない・・・事故ル。
 途中で「ロック」状態にされたりするとイヤ、ダルイ。
 1ゲームにかかる時間が非常に安定しない、プレイが面倒。
 などという、不快感を少なくしようという考えです。
 このゲームは守備系のデッキ同士でもかなりサクサク終わるほうでしょう。

Q:カードゲームは「事故」が多いですよね?
 その通り、実際あらゆる面白いカードゲームでも、
 本当に面白いのは、お互いの「マワリ」がほぼ同じ時だけです。
 MTG(三国志カードの最初のTheはコレに敬意を払って)においてすら、
 一方が「事故」のうちに終わることはザラでしょう。(/_<。)
 双方がある程度まわらないとダメ、いかにこの面白さを下げる現象を防止するかも課題でした。

Q:それが「先陣」「本陣」?
 ぶっちゃけると、「土地」は必要枚数きたらあとはあまりいらないものです。Σ(゜口゜;
 で、後半なんとなく場が膠着しているような時に引く「土地」「マナ」カードは結構さびしい。
 前半での事故の確率を防ぎ、後半での「ダレ」を防ぐことを目的とし、このシステムを考えました。
 最初は、デッキの順番は完全に固定、とかも考えていましたが、さすがにそれは
 デッキの相性のみで決まるゲームになってしまう。(まあそれはそれで面白みもありますが)
 この先陣本陣システムは他に採用例を知りませんし、かなり斬新なシステムではないでしょうか!?
 先陣本陣と四択式(場のカードを動かすだけでターン終了したりが無い)により、
 爽快性の説明で述べたような不快感がかなり軽減されました!

Q:じゃあ最後の「やり込み性」は?
 面白いカードゲームでも、クリアしたら終わり、とか、
 強いカードをあつめて、大体それを入れたデッキになって終わり、とか、
 そういうゲームは奥深さが無いと思います。
 戦略的自由度が非常に高いこと、(ここではデッキ作成が非常に自由)
 クリア後も、自分のデッキ同士の対戦などが楽しめることも重要だと思いました。

Q:つまりクリア後も楽しめると?
 クリア後も楽しめるというか、クリアだけが目的ではない、ということですね。
 クリア後も、もっと楽しい・強いデッキを考えたいという「追求」
 クリア後も楽しみながら(単純作業にならずに)カード集めして欲しい、
 対人戦を最重視していなくとも、他の人の作ったデッキと戦わせたり、
 そういったアソビがあると楽しいと思います。

Q:カード資産、については?
 カードはある程度苦労して手に入れてこそ愛着もありますし、
 順番に集めていくことにより様々なカードを使うことにもなります。
 初心者も、最初から使えるカードの枚数が多すぎては悩みますから。
 だから、カードは集めてもらう、ことは初期段階で決まっていました。
 と同時に、いつまでもレアが入手しにくい、コンプが大変すぎるのも良くない。
 また、カード集めがRPGの経験値稼ぎ的になるのもよろしくない。
 そこで、連戦式で上がるレアリティ、最後の最後はレアを出しやすくしました。
 作者的には「皇帝」を倒した時点で「表」はクリア、アレは「裏」ですね。
 クリア後も、別なデッキを作成しながらカード集めを楽しんでいただけるかと思います♪

Q:難易度、については?
 皇帝/神仙 までは、カードを集めないと厳しいけれど、
 カードを集めたからといって勝てるわけでもない、という微妙なバランス。
 神仙以後は大体のカードを使えることを前提に、ガチのバトル、と考えています。
 体感難易度は、その人がどれだけカードゲーム経験があるか、がかなり大きいですが、
 全体としては「難易度は高め」設定です。特に最初の方はカード不足に悩むかもしれませんね。
 (まあアノ方法を使いたい方は推奨はしませんが止めもしません、
  その種類の対策として、お金でカードを買うようなシステムにはしませんでした。)
 ただ他のゲームと違い「事故」が少ない分、トルネコ/シレンなどローグライク系ゲームのように、
 「プレイヤー自身のスキルの成長が確実に蓄積されるゲーム」なので、
 速度の違いはともかく、じっくりやれば神仙クリアまでは確実だと思っています。

Q:いろいろ利点を言ってたけど、三国志カードの良くない点は?
 ゲームシステムに関して言えばそこそこ優秀だと思いますが、(自画自賛\(-.-メ) ォィォィ)
 ユーザーインターフェイスが稚拙であることは疑いようもありません。
 (ユーザーインターフェイス:プレイヤーの「操作感」など)
 絵や、グラフィックに関しては皆無。||||||||||||||(* ̄ロ ̄)ガーン||||||||||||||||
 デッキ編集画面をはじとして、あらゆる点で他ゲームより下でしょうq(T▽Tq)(pT▽T)p
 さらに、「簡易性」を重視のために、
 一度ルールを完璧に覚えた複雑なゲーム、よりは奥深さは若干劣るのかもしれません。
 そもそもこんな単純なゲームでネットワーク対戦に対応していないのは
 どう考えても作者の力量が低いとしか・・・・・(×_×)
 (吉里吉里がもともとADV系ゲーム用なのでネット対応ではないこともありますが)

Q:気を取り直して・・・収録武将はどう決まっているの?
 まず、1.70の初期並び順ですが、ここだけの話、
 ほぼ「カードをデザインしていった順」になっています。ド━━━(゜ロ゜;)━━ン!!
 (最初はね・・40種類くらいしかカード無いときはとても便利だったんですよ・・・)
 ついでに作者が好きな武将は、徐庶、魯粛、などです(*´∇`*)
 文字化けしそうな難しい字の武将は後回し、あとで追加します。
 もうホント、難しい字のヤツ以外は思いついた順です!

Q:カード名、武将のイメージは何をもとに?
 まず最初にお断りしておきますと、三国志大戦とは無関係です。
 三国無双シリーズのイメージも考えてません。(あれはキャラ濃いですね・・)
 一番近いのは、MTGポータル三国志的な名称でしょうか?
 武将に関しては主に、光栄の三国志および三国志演義の小説よりのイメージです。

Q:ここまで読んできた人はいるの?
 ?(^ー^; )"~サア?

Q:デッキ中の制限枚数が緩くない?
 ゲーム内で、同名のカードの使用制限枚数が緩いのは、
 それでもバランスが良いゲームを作るというポリシーです。
 (あと、小中大攻撃などは、ある意味「基本地形」的扱いでもあるため)
 本来、同名カードの枚数制限があるのは、バランスを極度に破壊しないためでしょう。
 つまり、バランスの悪いカードがあってもそれが3~4枚までしか入れられないとしたら、
 さほど大きな問題にはなりません。また、枚数制限があることによる面白さもあります。
 「武将」はともかくとして、「兵士」は同じコマばかりでも弱点ができてしまうのが実戦であり、
 本当にバランスが良ければ、枚数制限が緩くても、その実戦に近い状態になると思うわけです。

Q:作ろうと思ったきっかけは?
 まず、プログラムを始めた初期動機が、ゲーム作りでした。
 しかし、趣味的で、プログラマーとしてはあまりたいした腕ではない。
 ここで、中国語関連のソフトは、文字化けと人材不足により需要の割りに供給が少ない、
 ということに着目し、そのジャンルではそこそこ人気のあるソフトを作成できました。
 となると、不発でもいいから一個くらいゲームにもチャレンジしてみたい。
 で、考えたのがカードゲーム。もともと好きなジャンルですし♪
 カードゲームって人気はあるとは思うのですが、
 ゲームの内容が個々によって違うので「ツクール」が存在しません。
 よって、需要の割に供給が少ないジャンルと言えます。
 さらにその中で既存のゲームに対する不満を分析して・・・別路線をさぐり・・・

Q:作るのに苦労した点は?
 テストプレイヤー=開発者なのはイタイとしか言えないですよねorz
 皇帝作成までの段階は完全に一人でやってたのがさびしかったです。
 最初のテストプレイヤー O氏に感謝!
 制作期間は、ルール構想にかなりの時間、
 作り出してからは3ヶ月弱で一気に作りました。

Q:ずいぶん語りましたね?
 三国志カード開発の考え方にたいして、当然、
 絵が重要、カード資産は排除すべき、対人戦第一だ、ルールは複雑なほうが面白い、
 などと違った考え・目標によるゲームも多いと思います。
 別に上述の考え・目標が一番良い考えだということを主張したいのではなく、
 このような目標に対してこのような解答を考えました、というお話です。
 別な目標によるゲームはそれぞれ独特の面白さがあると、むしろ肯定的に考えております。
 そこで、当ソフトの方向性を明示し、
 例えばソフトの評価者、新たにソフトを開発しようとしている人、の参考になればと。
 また、三国志カードの開発秘話、にもなるかと書いてきました。
 ここを読まなくても、開発者の「方針」がプレイした時から分かっていたよ、
 という方がいましたら非常にウレシイです。
 以上です。長文ここまでご覧になった方ありがとうございました!

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